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旧暦と9月の関係|長月と深まる秋

月と暦
月と暦二十四節気・七十二候・雑節季節の行事と暦

現在の9月といえば、まだ暑さが残るものの、少しずつ秋の気配を感じ始める頃です。
朝晩の風が変わり、日が暮れる時間も早くなっていきます。

ところが、

旧暦の9月は、現在の9月よりも季節が進んでいました。

旧暦では7月・8月・9月が秋。
9月はその最後にあたる「晩秋」の月です。


夜が長くなり、秋の実りを迎え、やがて冬の気配も近づいてくる頃。

旧暦の9月をたどると、「長月」という名前や十三夜、
重陽の節句など、秋の終わりと結びついたさまざまな言葉や行事が見えてきます。

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旧暦の9月は、現在の暦ではいつ頃?

旧暦と現在使われている新暦では、月の区切り方が異なります。

現在の暦は太陽の動きをもとにした太陽暦ですが、
明治初期まで日本で使われていた旧暦は、
月の満ち欠けをもとにしながら太陽の動きも取り入れた「太陰太陽暦」でした。

そのため、旧暦の9月1日が現在の9月1日になるわけではありません。

旧暦と現在の暦には1〜2か月ほど季節感のずれがあり、
旧暦9月が現在の何月にあたるかも年によって変わります。

たとえば2026年の場合、
旧暦9月13日の「十三夜」は現在の暦では10月23日です。


現在では「9月=秋のはじまり」という感覚もありますが、
旧暦の9月は秋の終わり。

昔から伝わる月名や行事を見るときには、
この季節のずれを知っておくと、その意味がわかりやすくなります。

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旧暦では7月・8月・9月が秋

旧暦では、一年を春夏秋冬それぞれ3か月ずつに分けていました。

春は1月・2月・3月、
夏は4月・5月・6月、
秋は7月・8月・9月、
冬は10月・11月・12月です。

さらに、それぞれの季節の3か月を、

孟(もう)=季節の初め
仲(ちゅう)=季節の真ん中
季(き)=季節の終わり

と表すことがあります。

そのため、旧暦7月は
「孟秋」、8月は「仲秋」、9月は「季秋」と呼ばれました。

旧暦9月は、秋を締めくくる月です。

中秋の名月を楽しんだ8月からさらに季節が進み、
実りの時期を迎え、朝晩の冷え込みも感じられるようになります。

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9月の和風月名「長月」とは?

旧暦9月の和風月名として知られているのが
「長月(ながつき・ながづき)」です。

現在でも9月の別名として使われていますが、
もともとは旧暦の季節に合わせて使われていた呼び名です。

長月の由来には諸説ありますが、
国立国会図書館では代表的な説として、
「夜長月(よながづき)」が短くなったものと紹介されています。

秋が深まるにつれて、日暮れは早くなり、
夜の時間が長くなっていきます。

現在の9月でも少しずつ夜が長くなっていきますが、
旧暦9月は現在の暦ではさらに季節が進んだ頃。

「夜が長くなる月」という名前が、
よりしっくりと感じられる季節でした。

和風月名には、昔の人が感じ取っていた季節の変化が残されています。

旧暦9月と二十四節気の関係

旧暦の月と二十四節気は、同じものではありません。
旧暦は月の満ち欠けを基本として月日を定める暦。

一方、二十四節気は太陽の動きをもとに、
一年を24に分けた季節の目印です。

秋が深まる頃には、

寒露(かんろ)
霜降(そうこう)
立冬(りっとう)

などの節気がめぐってきます。

寒露は、草木に冷たい露が宿る頃。
霜降になると、さらに気温が下がり、
地域によっては霜が見られる季節へと入っていきます。

そして立冬を迎えると、暦の上では冬です。

月の満ち欠けをもとにした旧暦と、
太陽の動きをもとにした二十四節気。

二つをあわせて見ることで、
秋が少しずつ冬へ移っていく昔の季節感が見えてきます。

👉 関連記事
▶︎ 【2026年】二十四節気・雑節 早見表

旧暦9月と「十三夜」

旧暦9月を代表する行事のひとつが「十三夜」です。
十三夜とは、旧暦9月13日の夜に月を眺める、日本独自のお月見の風習です。

旧暦8月15日の「中秋の名月」に対して、
十三夜の月は「後の月(のちのつき)」とも呼ばれてきました。

また、この頃に栗や豆が収穫されることから、

「栗名月」
「豆名月」

という名前もあります。

十五夜が満月に近い丸い月を眺めるのに対し、
十三夜の月は満月になる少し前。

完全な満月ではない月にも美しさを見いだしてきたところに、
日本らしい月の楽しみ方を見ることができます。

中秋の名月と十三夜の両方を眺める習慣もあり、
二つの月はあわせて「二夜の月」とも呼ばれました。

👉 満月の記事を読む
▶︎ 月の名前(1月~6月)の由来とは? ネイティブアメリカンの知恵と節気の共通点【前編】
▶︎ 月の名前(7月~12月)の由来とは? ネイティブアメリカンの知恵と節気の共通点【後編】

2026年の十三夜は10月23日

2026年の十三夜は、現在の暦では10月23日です。
9月25日の中秋の名月から、およそ1か月後。

十五夜を眺めたあと、
もう一度秋の月を楽しむ機会が十三夜です。

中秋の名月の頃にはまだ残っていた暑さも、
十三夜の頃になると少しずつ落ち着き、夜の空気にも秋らしさが増してきます。

同じ「お月見」でも、
十五夜と十三夜では、見える月の形も季節の景色も少し違います。

秋の月を二度楽しむ。

そんな昔からの風習を知ると、月の満ち欠けとともに暮らしていた旧暦の時間感覚も見えてきます。

旧暦9月9日は「重陽の節句」

旧暦9月には、もうひとつ大切な行事があります。

9月9日の「重陽の節句」です。

五節句のひとつで、「菊の節句」とも呼ばれています。

古く中国では奇数を縁起のよい「陽」の数と考え、
その中でも最も大きな一桁の奇数である「9」が重なる9月9日を特別な日としました。

日本にもその風習が伝わり、
菊を眺めたり、菊酒を飲んだりして、
長寿や無病息災を願う行事となりました。

現在の9月9日は、
まだ菊の季節には少し早く感じることがあります。

けれど、もともとの重陽の節句は旧暦9月9日。

現在の暦では秋がより深まった頃になるため、
菊の花の季節とも自然につながっていました。

旧暦を知ると、
昔の行事と季節がどのように結びついていたのかがわかります。

旧暦9月に見られる秋の風景

旧暦9月は、秋の終わりを感じる季節です。
日が暮れる時間は早くなり、夜は長くなっていきます。

野山では木々の葉が色づき、栗や柿など秋の実りも見られるようになります。

空には十三夜の月。

庭や野には菊が咲き、朝には冷たい露が残ることもあります。

月、菊、栗、紅葉、露。

旧暦9月には、今も秋を表す言葉や行事の中に残る景色がたくさんあります。

華やかな実りの季節であると同時に、
少しずつ冬へ向かい始める頃でもありました。

現在の9月と旧暦9月はどう違う?

同じ「9月」という名前でも、現在と旧暦では季節の捉え方が異なります。

現在の9月旧暦9月
季節の感覚夏の名残から秋へ秋の終わり
太陽暦太陰太陽暦
呼び名9月長月・季秋・晩秋
代表的な行事秋分・彼岸など十三夜・重陽の節句
季節を表すもの秋の始まり・彼岸月・菊・栗・紅葉・露など

古い文学や俳句、昔から伝わる行事の中に「9月」という言葉が出てきたときは、現在の9月よりも深まった秋の景色を思い浮かべると理解しやすくなります。

もっと知りたい!旧暦と9月Q&A

Q. 旧暦9月は現在の何月ですか?

A. 旧暦と現在の暦の日付は年によって変わるため、
「旧暦9月=現在の○月」と固定することはできません。
和風月名が使われていた旧暦と現在の暦には、
季節感に1〜2か月ほどのずれがあります。

Q. なぜ旧暦9月は秋なのですか?

A. 旧暦では7月・8月・9月を秋としていたためです。
9月は秋の最後の月にあたり、「季秋」や「晩秋」と呼ばれます。

Q. 長月は現在の9月のことですか?

A. 現在では9月の別名として使われていますが、
もともとは旧暦9月の和風月名です。
代表的な由来として、秋が深まり夜が長くなる
「夜長月」から「長月」になったという説があります。

Q. 十三夜とは何ですか?

A. 旧暦9月13日の夜に月を眺める風習です。
中秋の名月に対して「後の月」と呼ばれるほか、
栗名月、豆名月とも呼ばれています。
2026年の十三夜は10月23日です。

Q. 十五夜と十三夜は何が違うのですか?

A. 十五夜は旧暦8月15日、
十三夜は旧暦9月13日の月を楽しむ行事です。
十五夜の「中秋の名月」に対して、
十三夜は「後の月」と呼ばれます。
どちらも秋のお月見ですが、
十三夜は日本独自の風習として受け継がれてきました。

Q. 重陽の節句はなぜ菊の節句なのですか?

A. 重陽の節句は旧暦9月9日に行われ、
菊を飾ったり菊酒を飲んだりして、長寿や無病息災を願う風習がありました。

現在の9月9日よりも、
旧暦9月9日のほうが菊の咲く季節と重なりやすかったことも、
旧暦と季節の関係を知る手がかりになります。

旧暦9月から見える、秋の終わり

現在の9月は、夏の暑さが残りながら、
少しずつ秋へ向かう月です。

一方、旧暦の9月は秋の最後。
長月、十三夜、重陽の節句。
そこには、夜が長くなり、秋の実りを迎え、
やがて冬へ向かっていく季節の姿があります。

「なぜ9月を長月と呼ぶのだろう」
「十五夜のあとに、もう一度お月見をするのはなぜだろう」
「重陽の節句と菊には、どんな関係があるのだろう」

こうした疑問も、
旧暦9月が現在の9月より季節の進んだ頃だったことを知ると、
そのつながりが見えてきます。

旧暦を知ることは、
昔の暦を覚えることだけではありません。

月の名前や行事、草花や空の変化を通して、
季節とともに暮らしてきた人々の時間の感じ方にも触れることができます。