二十四節気と七十二候

大雪の読み方や意味とは? 二十四節気・心を豊かにする暦・言葉のカレンダー

二十四節気-大雪-青空に雪の樹木の画像
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大雪(たいせつ)は、二十四節気の一つで、毎年12月7日頃から12月21日頃までの期間を指します。この時期は、冬の訪れを本格的に感じさせる、冬の寒さが一層厳しくなる時季です。

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二十四節気・大雪(たいせつ)とは、本格的な冬の始まりを告げる節気のこと

この時季は、北国や山間部では雪が積もることが多く、冬の景色が広がり始める頃です。この時期は、冬支度が本格化し、年末の準備が始まる季節でもあります。

大雪とは、本格的な冬の始まりを告げる節気のことです。

寒さが本格的にやってくることから、防寒や雪対策が求められます。この節気は、厳しい寒さに耐えるために、人々が冬支度を始めるとともに、自然界でも冬に向けた準備が進んでいく時季です。

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大雪の期間に含まれる七十二候とは?

大雪の時期には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。

  • 初候:閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる) 
    • 期間:12月7日頃~12月11日頃
    • 意味:天地の気が閉塞し、本格的な冬が到来することを意味します。生き物たちは冬眠の準備を始め、静寂の世界が広がっていく様子が目に浮かびます。
  • 次候:熊蟄穴 (くまこもる)
    • 期間:12月12日頃~12月16日頃
    • 意味:熊が冬眠のため、穴にこもる頃という意味です。厳しい寒さを乗り越えるため、動物たちが静かに春を待つ姿は、生命の力強さを感じさせます。
  • 末候:鱖魚群 (さけのうおむらがる)
    • 期間:12月17日頃~12月21日頃
    • 意味:鮭が群れをなして産卵のために川を遡上する時期。厳しい寒さの中、懸命に命を繋ごうとする姿は感動的です。

Memorina Seasonal Column 鮭の遡上 – 故郷への長い旅路
大雪の末候に見られる鮭の遡上は、自然の神秘と生命の力強さを感じさせる現象です。広大な海で成長した鮭は、産卵期が近づくと、自らが生まれた川を目指して、長い旅を始めます。

川の流れに逆らい、時には激流を乗り越えながら、傷だらけになりながら、故郷の川の上流を目指します。その道のりは長く険しく、多くの困難が待ち受けています。しかし、鮭は持ち前の力でそれらを乗り越え、産卵という使命を果たすために、懸命に泳ぎ続けます。

産卵を終えた鮭は力尽きてその一生を終えます。しかし、その姿は次の世代へと命を繋ぐ、尊い行為として、私たちに深い感動を与えてくれます。

わたしの故郷では、毎年鮭が産卵のために川を遡って戻ってきます。かつては、街中でも、橋の上から川を覗くと、たくさんの鮭が力強く泳ぐ姿を見ることができ、その様子に大いに勇気をもらっていました。しかし、先日帰省した際、川の流れを見てみると、水の量がかなり減り、川幅も狭くなっていることに驚きました。友人の話では、最近鮭の数がすっかり減ってしまい、今年はまだ戻ってきていないということでした。

昨今の気温上昇などの環境変化が原因の一部であるとは思いますが、鮭たちはいったいどこに進路を変えてしまったのでしょうか。この変化はとても気になっています。

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大雪の行事・お祭り

大雪の時期は本格的な冬の到来を告げ、各地で年末の準備が始まります。酉の市や歳の市など、商売繁盛や無病息災を願う伝統行事が多く見られ、年末年始への移ろいを感じる季節です。

日本の伝統的なお祝いについての記事はこちら

酉の市

酉の市は、毎年11月の酉の日に行われる縁起物の熊手を買う伝統的な市です。特に有名なのが、東京都の浅草鷲神社(おとりじんじゃ)で行われる酉の市です。

12月には、この酉の市が2回(12月初めと12月中旬)開催されます。多くの人で賑わう露店には、商売繁盛や家内安全を願う熊手が所狭しと並べられます。江戸時代から続く この伝統行事は、現代に受け継がれ、年の瀬の風物詩となっています。

約200年の歴史を持つ浅草の酉の市は、毎年多くの観光客を集める人気のイベントです。

酉の市についてのもっと詳しい記事はこちらから

歳の市

歳の市(としのいち)は、年末に行われる日本の伝統的な市場で、新年を迎えるための準備として多くの人々が訪れます。この市場は通常、12月の中旬から年末にかけて開催され、新年に向けた縁起物や飾り物などを購入することができます。「羽子板市」としても知られ、特に浅草寺(東京)の歳の市は全国的に有名です。

成道会

成道会(じょうどうえ)は、毎年12月8日に行われる仏教行事の一つで、お釈迦様(釈迦牟尼仏)が悟りを開いた日、つまり「成道」した日をお祝いする大切な儀式です。

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成道会(じょうどえ)についてちょっと詳しく

成道会(じょうどうえ)は、釈迦が悟りを開いた日を祝う行事です。毎年12月8日頃に行われるこの行事は、仏教の教えや精神を知るよい機会として、多くの人々に親しまれています。

成道会の歴史と由来

お釈迦様は、紀元前6世紀頃、北インドで王子として生まれました。しかし、人間世界の苦しみや老い、死といった「四苦八苦」に悩み、29歳の時に出家して厳しい修行に励みました。そして、6年間の苦行の末、35歳の時、12月8日の早朝に菩提樹の下で瞑想し、ついに悟りを開いたとされています。

成道会(じょうどうえ)は、お釈迦様が悟りを開いたことを記念する行事です。一般的には毎年12月8日に行われ、多くの寺院で関連する行事が開かれます。この日は、お釈迦様が自分の道を見つけたことを祝うと同時に、日常生活でも大切な教訓を見いだす機会として広く知られています。

Memorina Column 成道会では、寺院で特別な集まりや講話が行われることが多いです。これによって参加者は、毎日の生活にも役立つ考え方を学ぶことができます。さらに、座禅や簡単な瞑想体験、写経といった活動も行われることがあり、一般の方も気軽に参加することができます。

普段あまり仏教に触れる機会がない方も、この日をきっかけに、ブッダの生涯や教えについて少し考えてみてはいかがでしょうか。築地本願寺では、YouTubeチャンネルにて成道会の様子をライブ配信するようです。

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まとめ

大雪は、冬の厳しさを迎える準備が整う季節です。自然界がゆっくりと眠りにつくこの時期には、人々もまた家の中で温まる時間が増えますよね。

あたり一面が雪に覆われる光景は、静寂とともに新たな始まりを予感させます。そんな中で、生命の営みと、人々の日々の営みが見事に調和する様をじっくりと感じてみるのもいいのでは?