清明(せいめい)は、二十四節気の5番目にあたる節気で、毎年4月4日頃から4月19日頃にかけての期間を指します。
清明とは? 清明は春の完成形のような季節
「清明」とは「清らかで明るい」という意味で、春の光に満ちた自然の中で、草木や生き物がいきいきと輝くような季節を表しています。
空気は柔らかく澄み渡り、木々が芽吹き、花が咲き、すべてが清々しく明るいエネルギーを帯び始めるこの時期。春が本格的に深まり、心も体も軽やかになるような気さえしてきます。
清明の期間に含まれる七十二候とは?
清明の時期には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。
- 初候:玄鳥至(つばめきたる)
- 期間:4月4日頃~4月8日頃
- 意味:燕が南から渡ってきて、日本で巣作りを始める頃。春の空にツバメの姿を見つけると、「今年も春が来た」と感じる人も多いのではないでしょうか。私の家のそばにも燕が巣作りをします。昨年は燕が来なかったんですよね。空っぽの巣を見るととても寂しい気持ちになりました。今年は来るといいのですが…。
- 次候:鴻雁北(こうがんかえる)
- 期間:4月9日頃~4月13日頃
- 意味:冬の間日本に滞在していた雁が北へ帰り始める時期。ツバメがやって来て、雁が去っていく――自然界のバトンリレーのようです。
- 末候:虹始見(にじはじめてあらわる)
- 期間:4月14日頃~4月19日頃
- 意味:春の雨上がり、空気が澄み渡ることで虹が見え始める季節。自然の美しいグラデーションが、空に現れる瞬間です。インスタでは虹をとらえた投稿も見かけるようになりましたね!

Seasonal Column ツバメの到来
先ほどもちょっと触れましたが、この時期の風物詩の代表といえば、やはり「ツバメ」。初候の「玄鳥至」は、ツバメが日本に帰ってくる様子を表したもの。
ツバメは毎年、長い旅を経て、南から戻り、古い家や軒先に巣を作ります。その姿は「幸せを運ぶ鳥」とも言われ、商売繁盛や家内安全のシンボルとしても親しまれています。
燕の巣作りや子育ての様子を観察できるのも、この季節ならではの楽しみ。近所にあるマンションの燕の巣。毎年楽しみに観察していたんですが、昨年はツバメが戻ってこなかったんですよね。なんだかとても寂しい気持ちになりました。今年は戻って子育てしてくれるといいのですが。
清明に関わる行事と風物詩

清明祭(中国や沖縄の伝統行事)
清明は、中国の伝統行事「清明節」とも重なり、先祖の墓参りやお墓の掃除を行う日として知られています。日本でも、特に沖縄などの地域では「清明祭(シーミー)」という名前で親しまれ、今なお大切に受け継がれている風習です。
清明祭って、初めて聞く方も多いかもしれません。でも沖縄では、それはとっても大切な家族の日。墓前の前でご先祖さまと一緒にごはんを食べるなんて、素敵だと思いませんか?
花祭り(4月8日)
仏教行事のひとつ「花祭り」は、お釈迦様の誕生日を祝う行事です。全国の寺院では花御堂(はなみどう)と呼ばれる小さな仏殿に、お釈迦様の像を安置し、参拝者が甘茶をかけてお祝いします。春の花々で飾られた会場はとても華やかで、季節の美しさとともに心を落ち着けるひとときが流れます。
お花見や春の行楽の季節
桜前線が北上するこの時期、各地でお花見が行われます。桜だけでなく、菜の花やチューリップ、藤の花なども咲き始め、春の花々を楽しむ絶好の季節です。家族や友人と一緒に、自然に触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
清明の時期、運気がアップする過ごし方は?
清明(せいめい)の時期は、自然界がいきいきと輝き始めるエネルギーに満ちた季節。このタイミングに合わせて、私たちの心や体、暮らしにも“清らかさ”と“明るさ”を取り入れることで、運気の流れをぐんと整えることができます。ここでは、清明の運気アップにおすすめの過ごし方をご紹介します。
朝の光が“心の曇り”を晴らす

清明は、「清らかで明るい」という意味があり、太陽の光もどんどん強くなってくる時期です。朝の陽ざしをたっぷり浴びることで、自律神経が整い、やる気や集中力がアップしやすくなります。
運気アップポイント: 午前中のうちに散歩やベランダでの軽い運動がおすすめ!
花や植物とふれあう

芽吹き、咲き誇る自然とふれあうことで、心のエネルギーが活性化されます。ベランダや庭に春の花を植えたり、季節の草花を飾ったりするのも◎。ツバメや蝶など、春の訪れを告げる生き物にも意識を向けてみましょう。
運気アップポイント: 自然の「成長のエネルギー」を暮らしの中に取り入れましょう。植物の成長しようとするエネルギーであなた自身の“新しい一歩”も後押しされます。
小さな「浄化」を取り入れる

清明は、「すべてが清らかで明るくなる」ことを意味する節気です。そんな時季には、私たちの暮らしにも「浄化」を取り入れるのがおすすめ。とはいえ、大がかりな掃除をする必要はありません。
たとえば、玄関を丁寧に拭いてみる、枯れた花や古い書類を手放してみる…それだけでも、空間の“気”がふわっと軽くなります。特に、玄関・窓・鏡・寝室などは、私たちの気の流れに大きく影響する場所です。ここを整えることで、自然のエネルギーが心地よく巡りやすくなり、心のモヤモヤや停滞感がすっと抜けていくのを感じられるでしょう。
運気アップポイント: 「すべてを変えよう」と気負うのではなく、「ひとつ整える」を積み重ねることが、結果的に心身の浄化と運気のリセットにつながっていきます。
まとめ
いかがでしたか? 清らかで明るいと書く「清明」の時季は、まさに心と空間、運気を整える絶好のチャンスです。小さなことでかまいません。自然と調和した行動を日々に取り入れて、心も体もすっきりと軽やかに、春の運気を呼び込みましょう。
参考文献:季節と自然のガイドブック ほおずき書籍 刊
大切にしたい、日本の暮らし サンクチュアリ出版 刊