二十四節気と七十二候

白露の読み方や意味とは? 二十四節気・心を豊かにする暦・言葉のカレンダー

二十四節気-白露-梅雨に濡れるオレンジの小花
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「白露」(はくろ)は、草に降りた露が白く光る様子をあらわした言葉です。夜間に地表が冷えて空気中の水蒸気が凝結することで朝露は起こります。

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二十四節気・白露とは、朝晩の寒暖差で露が降り始める節気のこと

この頃は、日の出とともに露がキラキラと輝き、自然の美しさを五感で楽しめる、そんな時季です。白露は、毎年9月7日頃にやってきます。

白露とは、簡単にいうと、朝晩の寒暖差で露が降り始める節気のこと。

朝、庭に出ると、雨も降っていないのに植物の葉がうっすらと濡れていた……。
そんな経験はありませんか? この頃は空気も冷たくなり始め、秋の訪れを感じる時季です。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。

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白露の期間に含まれる七十二候とは?

白露の期間には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。

  • 初候:草露白(くさのつゆしろし)
    • 期間:9月7日~9月12日頃
    • 意味:朝露が草花を飾り、その輝きが白く美しい姿を見せます。早朝の散歩が心に残る、この時期ならではの光景です。
  • 次候:鶺鴒鳴(せきれいなく)
    • 期間:9月13日~9月17日頃
    • 意味:セキレイという鳥の鳴き声があちこちから聞こえてくる時季です。秋の訪れを告げるメロディに耳を澄ませてみてください。
  • 末候:玄鳥去(つばめさる)
    • 期間:9月18日~9月22日頃
    • 意味:夏を共に過ごしたツバメたちが、暖かい地域へと帰っていく時季です。彼らの旅立ちを感じながら秋の深まりを実感します。

いよいよ季節が秋へと移り変わります。
白露の頃の風物詩には、五感で秋を楽しめるものが盛りだくさんです。

白露といえば、中秋の名月ですね。

 旧暦8月15日の夜空に昇る月で、1年で最も美しい月といわれています。

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中秋の名月が1年で最も美しい月と呼ばれる理由とは

「中秋の名月」は、旧暦の8月15日の夜に見える満月を指し、「十五夜」とも呼ばれます。旧暦の秋は7月から9月にあたり、その真ん中である8月15日は「中秋」とされました。この夜に見る月が特に美しいとされる理由は、季節や気候の特性にあります。

秋の澄んだ空気が引き出す美しさ

中秋の名月が「1年で最も美しい月」と呼ばれる理由のひとつが、秋の澄んだ空気です。秋は気温が下がり、湿度も低くなるため、空気が澄み、月の光がより鮮明に見えます。また、秋は天候が安定しやすく、晴れた夜に月を見られる機会が多いことも美しさを感じる要因です。このクリアな空気の中で見る満月は、まるで光を放つ宝石のように美しく輝きます。

月の位置と夜空に浮かぶ時間

中秋の名月が特別な理由には、月の位置も関係しています。秋分の頃は昼と夜の長さがほぼ等しくなり、月が東から昇り、西に沈むまでの時間が長くなるため、夜空に月が浮かぶ姿をゆっくりと楽しむことができます。さらに、月が地平線近くにあるとき、地球の大気によって光が拡散し、赤みがかかった色に見えることもあります。この独特の色合いが、月にさらに風情を加え、私たちを魅了するのです。

日本に伝わる「月見」の風習

日本では古くから「月見」の風習があり、中秋の名月を楽しむ習慣が根付いてきました。平安時代の貴族たちは船を浮かべて月を眺めたり、詩歌を詠んでその美しさを称えたりしました。また、中秋の名月は、収穫を祝う行事としても大切にされています。この日は、月見団子や里芋、すすきなどをお供えし、収穫物への感謝を捧げました。すすきを供えるのは、稲穂を象徴し、豊作を祈る意味があると言われています。

中秋の名月は満月?
実は、中秋の名月が満月とは限りません! 旧暦は月の満ち欠けをもとに作られていますが、月の公転周期と完全に一致していないため、中秋の名月の日が満月とは限らないのです。ずれる場合でも、1日程度の前後なので、ほぼ満月に見える美しい月であることには変わりません。

中秋の名月と十五夜について

十五夜は、満月の夜を指す言葉ですが、中秋の名月と同じ意味で使われることもあります。十五夜は、旧暦の8月15日を指し、中秋の名月と同様にお月見の風習があります。中秋の名月の日付は、毎年異なります。以下は、2023年から2028年までの中秋の名月の日付をご案内しますね。

2023年:9月29日 2024年:9月17日 2025年:10月6日
2026年:9月25日 2027年:9月15日 2028年:10月3日

中秋の名月がもたらす特別なひととき

澄んだ秋空、月の位置の特徴、そして長く続く日本の風習が相まって、中秋の名月は「1年で最も美しい月」と称えられています。秋の夜長、月の光に包まれながら、自然と共にある豊かな時間を過ごしてみませんか。中秋の名月は、私たちに自然の美しさと安らぎを感じさせてくれる、特別な存在です。

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まとめ

白露は、夏の暑さが落ち着き始め、秋の気配を少しずつ感じるようになる季節です。今年は、ぜひご家族や大切な人と美しい中秋の名月を眺めながら、ゆっくりと秋の夜長を楽しんでみてはいかがですか?

次回は、秋分(しゅうぶん)についてご案内します。昼と夜の長さがほぼ等しくなる日。秋分の日を境に、秋が深まり、季節は冬へと向かいます。