二十四節気と七十二候

芒種の読み方や意味とは? 二十四節気・心を豊かにする暦・言葉のカレンダー

二十四節気-芒種-笠を被った女性の画像
この記事には広告が含まれています

芒種(ぼうしゅ)は、二十四節気のひとつで、夏がさらに深まる頃を指します。毎年6月6日頃から6月20日頃までの間です。芒種の頃は、農作業が本格化し、田植えが最盛期となる時季です。この記事では、二十四節気の「芒種」について解説します。

スポンサーリンク

二十四節気・芒種とは、芒を持つ穀物の種をまく節気のこと

芒種の時季は、田畑が賑わい始め、気温が上がる日も増え、夏の訪れを感じる時期です。この時期は、稲や麦などの穀物の種を蒔くには適した季節といわれています。

芒種とは、簡単にいうと、稲・麦などの芒を持つ穀物の種をまく節気のことです。

この頃には、梅雨入りする地域も多く、雨の日が続きますが、植物にとっては恵みの雨となる時期です。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。

スポンサーリンク

芒種の期間に含まれる七十二候とは?

芒種の期間には、次の三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時期に自然界で起こることを表しています。

  1. 初候:蟷螂生(かまきりしょうず)
    • 期間:6月6日頃から6月10日頃
    • 意味:カマキリが生まれ出る時期です。小さなカマキリたちが草むらで活動を始めます。
  2. 次候:腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
    • 期間:6月11日頃から6月15日頃
    • 意味:朽ちた草が蛍となる時期です。蛍が光り始め、夜の川辺や田んぼは、蛍の放つ光によって幻想的な風景に包まれます。
  3. 末候:梅子黄(うめのみきばむ)
    • 期間:6月16日頃から6月20日頃
    • 意味:梅の実が黄色に色づく時期です。梅の収穫期で、梅干し作りが始まります。

七十二候は季節の微妙な移り変わりを表し、自然のリズムを感じることができる日本独特の文化です。詳しい記事は、下のリンクからどうぞ。

心を豊かにする暦、二十四節気と七十二候

初候:蟷螂生(かまきりしょうず) にもある、カマキリは、人が祈りを捧げる姿に似ていることから神聖なものとする国が多い昆虫です。英語名のMantisはギリシャ語のMantidaeに由来していますが、カマキリは英名では「Praying mantis(祈り虫)」と呼ばれています。

確かに両腕をあわせ折りたたむ姿勢を横から見ると下半身をすっぽりと覆う長いハネが、まるで長いローブを羽織って祈りを捧げるように見えます。日本でも「おがみ虫」と呼ぶ地方もあります。

末候:梅子黄(うめのみきばむ) の梅。みなさんは、梅仕事という言葉をご存知ですか? 旬を迎え収穫した梅を使って保存食を作ることですが、梅仕事は芒種のこの時期にしかできないことなんです。

梅仕事についてちょっと詳しく

梅仕事は、梅の実を使って心を込めて作る、季節の贈り物のような作業です。初夏の香りとともに、梅の実を収穫し、長い時間をかけて美味しく育てる楽しさが広がります。そんな梅仕事には、梅干しや梅酒、梅ジュースといった、どこか懐かしさを感じるものがたくさんあります。

梅干しは、塩と梅の自然な味わいを大切にした、昔から愛されている保存食です。梅を丁寧に洗い、ヘタを取り、塩をまぶして漬け込んでいきます。その後、天日干しでじっくり乾燥させることで、梅の深い味わいが引き出されます。梅干しは、ほんの少しの酸味と塩気が、食欲をそそり、疲れた体にも元気をくれる頼もしい存在です。

梅酒もまた、梅の果実がじっくりとお酒に染み込み、甘酸っぱい香りが広がる、心地よいひとときをもたらしてくれます。梅を選び、氷砂糖と一緒に瓶に入れて、静かに寝かせるその時間が、まるでお料理と向き合っているような、穏やかな気持ちにさせてくれます。梅酒はゆっくりと時間をかけて作るからこそ、完成したときの喜びもひとしおです。

梅ジュースは、梅の爽やかな酸味と、砂糖や酢の優しい甘さが調和した、飲むとほっとするような味わいです。冷やして飲むと、暑い日でもさっぱりと楽しむことができ、夏の風物詩として涼やかな飲み物です。

梅仕事は、どれもシンプルな作業ですが、その中に込められた思いが、出来上がったものにしっかりと表れるんですよね。梅の香りとともに、穏やかな時間を過ごすことができる梅仕事。あなたも、ぜひ挑戦してみてはいかがですか? 

梅コラム 先日、真夏の奈良へ旅行に行ったときのことです。気温は40度近く、アスファルトからの照り返しと太陽の熱で、体感温度はさらに高かったと思います。何もしていないのに汗が滴り落ち、歩くたびにフラフラになってしまい、熱中症寸前でした。そんなとき、ふと目に入ったコンビニが救いでした。店内に入ったものの、商品を選ぶ余裕もなく、たまたま目に留まった乾燥梅を手に取ったのです。この選択が大正解!乾燥梅を口に頬張ると、塩分と程よい酸味が体にしみ渡り、みるみる元気を取り戻していくのを感じました。歩きながらの塩分補給が、疲れを和らげ、エネルギーを与えてくれたのです。この旅で、水分補給だけでは足りないこと、塩分補給も大切だと身に染みて感じました。おかげで倒れ込むことなく、無事に目的地にたどり着くことができました。。

スポンサーリンク

まとめ

いかがでしたか? 芒種は、自然が豊かに息づき、夏の訪れを感じる季節です。節気には、日本に古く伝わる伝統や、手仕事が数多く紹介されています。長く続いているものを大切に守り、後世に伝えていくことも、今を生きる私たちに大切な役目だと改めて思いました。

次回は、夏至(げし)についてご案内します!