日本は四季折々の美しさもさることながら、「お祝い事」を大切にする国としても知られています。人生の節目を祝う伝統的な行事は、その土地土地で受け継がれてきた風習や想いは、まさに文化の宝庫!です。さあ、一緒に日本の心温まる「お祝いの旅」に出かけましょう!
お七夜(おしちや)
お七夜は文字通り、赤ちゃんが生まれてから7日めの夜にこれからの健やかな成長を願って行うお祝いのことで、生後7日目にお祝いするのが基本です。命名紙に名前をしたため、健やかな成長を願って行います。例えば、1日に生まれた赤ちゃんのお七夜は、7日に行います。
Q 7日に必ず行なわないといけないのでしょうか?
A 厳密に生後7日目に行わなければいけない!といったわけでもなく、大切なのは赤ちゃんとママの体調。現実的なところでは、2週間以内に行うことが多いようです。
お宮参り:生後一ヶ月の初参り
お宮参りは、赤ちゃんが初めて神社にお参りする行事です。赤ちゃんが無事に生まれたことへの感謝の気持ちと、これからの健康と成長を祈るためのものです。伝統的には、男の子は生後三十一日目、女の子は生後三十二日目に行われることが多いです。新たな家族の始まりを象徴する儀式としても、とても大切な行事です。
Q お宮参りではどんな服装が一般的ですか?
A 赤ちゃんは着物やドレスを着せ、母親は和装やフォーマルな服装が一般的です。
百日祝い : 生後百日の「お食い初め」
百日祝いは、赤ちゃんが生後百日目を迎えたことを祝います。「お食い初め」とも呼ばれ、赤ちゃんが一生食べ物に困らないようにと願って、初めて食事を模した儀式を行います。
この特別な日は、赤ちゃんの健康を願う重要な節目です。正式なお食い初めは、「一汁三菜(お赤飯、お吸い物、尾頭付きの鯛や鯉、煮物、香の物)」に、「歯がための勝栗や小石」などを添えます。
お膳の物を少しずつ赤ちゃんの口へ運び、食事のまねごとをします。
最後に歯がための小石にさわった箸を歯茎にあてます。赤ちゃんに食べさせる役の「養い親」は、長寿にあやかって、祖父、祖母が務めるのが習わしといわれています。
Q 赤ちゃんはまだ歯が生えていないのに、どうやって食べるんですか?
A 大丈夫です。実際に食べさせるわけじゃありません。赤ちゃんの前に並べられた料理を、箸でつまんで赤ちゃんの口元に運ぶ「まね」をするだけです。笑
一歳の誕生日:一升餅で健康を祈る
一歳の誕生日は、赤ちゃんが一周年を迎えることを祝う日です。
日本では「一升餅(いっしょうもち)」という、一歳の誕生日を迎えた赤ちゃんに、一升(約1.8キログラム)の餅を背負わせる伝統があります。
一生(一升)健康で、食べ物に困らないようにという願いが込められています。成長を祝う大切な儀式となります。
Q 一升餅を背負わせる以外にも、何か行事ってあるんですか?
A 一升餅を踏ませたり、選び取り(赤ちゃんの前にいろいろな品物(または品物の写真など)を並べて好きな物を選んでもらい、将来の職業や才能を占うもの)をする地域もありますよ。
七五三:三歳、五歳、七歳の成長を祝う
11月15日の七五三で、着飾った子どもたちが神社に参拝する姿は、日本の秋の風物詩ですよね。
3歳の女の子は被布(ひふ)、5歳の男の子は袴(はかま)、7歳の女の子は着物と、それぞれ晴れ着を着着ます。
特に七歳の七五三は、女の子が大人の帯を初めて締める「帯解き」の年齢とされ、重要な節目となります。この行事を通して、子どもの成長を祝います。
Q 七五三で神社にお参りする際に注意することはありますか?
A 期日が迫る前に、準備は万端に! 神社によっては予約が必要な場合があるので確認しましょう。また、晴れ着のレンタルや写真撮影の予約も忘れずに。
成人の日:20歳を祝う特別な日
成人の日は、二十歳に達したことを祝う日です。
2022年4月から日本の成年年齢は十八歳に引き下げられましたが、成人の日は引き続き二十歳を祝う行事として行われています。
成人の日は1948年に制定され、毎年1月の第二月曜日に祝われます。新成人たちは人生の新たなステージに踏み出します!
還暦:60歳を迎える特別な祝い
還暦は、十二支と十干の組み合わせが六十通りあることに由来します。
六十年目で干支が一巡し、生まれたときと同じ干支に還ることから「還暦」と呼ばれます。奈良時代から伝わるこの祝いは、赤いちゃんちゃんこを着るのが伝統的です。赤は魔除けの色とされており、還暦を迎えることは大きな喜びです。
生まれた年の干支(えと)に還る(かえる)赤ちゃんに還るということで「還暦」。
もう一度人生のスタートラインに立つという意味が込められているのです。還暦については、こちらで詳しく解説してますので、あわせてご覧くださいね。
古希 – 70歳の長寿を祝う
古希は、「人生七十年古来稀なり」という唐の詩人・杜甫の詩に由来します。
七十歳まで生きることがまれであるという意味から、長寿を祝う特別な日です。この日を迎えることは、歴史と文化に根ざした長寿の象徴となります。
Q 古希のお祝いではどんな色が使われますか?
A 古希のお祝いでは紫色が使われることが多いです。紫は高貴な色とされ、長寿を象徴します
喜寿 – 77歳の喜びを分かち合う
喜寿は、「喜」の字を草書体で書くと「七十七」に見えることに由来します。
七十七歳を迎える喜びと長寿を祝います。伝統的な祝いを通じて、これまでの人生を振り返り、これからの健やかな日々を願います。
傘寿 – 88歳の長寿を祝う
傘寿は、「傘」の略字「仐」が「八十」に見えることに由来します。
八十八歳を迎えることを祝うこの日は、感謝と喜びを分かち合います。長寿を祝う文化が息づく特別な日です。
白寿 – 99歳の長寿を祝う
白寿は、「百」の字から「一」を取ると「白」になることに由来します。
九十九歳を迎えることを祝います。日本の長寿文化を象徴するこの日は、特別な意味を持ちます。
百寿 – 100歳を迎える祝い
百寿は、百歳を迎えることを祝う特別な日です。
「百年=一世紀」のため、「紀寿(きじゅ)」とも呼ばれます。人生の一世紀を生き抜いたことを祝い、非常にめでたい節目です。百寿を迎えることは、長寿の象徴として特別な意義を持ちます。
まとめ
生後七日目のお七夜から始まり、百歳を祝う百寿まで、それぞれのお祝いには独自の意味と歴史があります。これらの行事は、家族や友人と一緒に祝うことで、絆を深め、次の世代へと伝統を受け継いでいく大切なものです。
人生の節目を祝う日本の伝統は、単なる行事の枠を超えた意味を持っています。それは人と人をつなぎ、世代を超えて文化を次の世代に継承するというもの。これからも大切に守り、伝えていきたいものです。