冬至(とうじ)は、二十四節気の22番目に位置する節気で、1年のうちで昼が最も短く、夜が最も長くなる日を指します。毎年12月21日頃または22日頃に当たり、この日を境に太陽が再び力を取り戻し、日が少しずつ長くなっていきます。
冬至は、太陽の動きに基づいた暦の中でも特別な意味を持つ日であり、「一陽来復(いちようらいふく)」、すなわち新しい始まりの兆しを祝う日として大切にされています。
二十四節気・冬至(とうじ)とは、1年のうちで昼が最も短く、夜が最も長くなる節気のこと
冬至の頃は、寒さがいよいよ本格化し、北風が身にしみる時季です。
二十四節気・冬至(とうじ)とは、1年のうちで昼が最も短く、夜が最も長くなる節気のことのことです。
とはいえ、この日を境に日照時間が増えていくため、自然界では「冬の終わり」と「春の始まり」の第一歩とも捉えられています。冬至は、温かい食べ物や飲み物を取り入れ、心身を温めることが推奨される時期でもあります。
大雪の期間に含まれる七十二候とは?
冬至の時期には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。
- 初候:乃東生(なつかれくさしょうず)
- 期間:12月21日頃〜12月25日頃
- 意味:夏枯草(かごそう)と呼ばれる植物が再び芽を出し始める頃です。寒さの中にも、春の訪れを感じさせる兆しが現れます。
- 次候:麋角解(さわしかのつのおつる)
- 期間:12月26日頃〜12月30日頃
- 意味:鹿の仲間である麋(さわしか)の角が落ち始める頃です。これは、自然界が新しい成長に向けて再生の準備をしている象徴とされています。
- 末候:雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)
- 期間:12月31日頃〜1月4日頃
- 意味:雪の下で麦が芽を出し始める時期です。寒さの中でも新しい命が育まれている様子が表されています。
冬至の風物詩・お祭り
冬至を祝うお祭りや行事は、日本だけでなく、世界各地で古くから行われてきました。それぞれの文化や地域で、冬至は「太陽の復活」や「新たな始まり」を象徴する特別な日とされています。いくつかの代表的な冬至の祭りをご紹介しますね。
日本の伝統的なお祝いについての記事はこちら
日本:かぼちゃとゆず湯の習慣
日本では冬至に、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする習慣があります。これには、「無病息災」や「風邪をひかず健康に過ごせるように」といった願いが込められています。また、一年で最も夜が長いこの日は、太陽が復活する節目とされ、陰から陽へと運気が切り替わる日と考えられています。
Seasonal Column 冬至の風物詩:柚子湯(ゆずゆ)について
冬至といえば「柚子湯(ゆずゆ)」の習慣が広く知られていますよね。冬至のこの日は、柚子を浮かべた湯船に浸かり、風邪予防や健康長寿を願います。柚子には血行促進やリラックス効果があり、肌をしっとりさせる効能もあるため、寒さが厳しい時期の健康法としても理にかなっていますよね。また、「柚子=融通(ゆうずう)が効く」との語呂合わせから、縁起を担ぐ意味もあります。
中国:冬至節(どんちーちえ)
中国では冬至を「冬至節」として祝います。古くから、家族が集まり団円を祝う日として大切にされてきました。特に北方では餃子を食べる習慣があり、これには寒さを乗り越えるための栄養補給と幸福を祈る意味があります。
ヨーロッパ:ユール(Yule)
北欧では「ユール」と呼ばれる冬至のお祭りが行われてきました。これはクリスマスの起源の一つとも言われる行事で、薪を燃やして太陽の復活を祝うものです。ユールログと呼ばれる大きな薪を暖炉で燃やす風習が、後にクリスマスケーキのユールログとして受け継がれています。
イラン:ヤルダーナイト
イランでは「ヤルダーナイト」として冬至の夜を祝います。この日は、家族が集まり、長い夜を語り合いながら過ごします。ザクロやスイカを食べるのが伝統で、これには健康や繁栄を願う意味があります。
アメリカ先住民:冬至の儀式
アメリカ先住民の間でも、冬至は重要な節目とされてきました。「太陽を呼び戻す儀式」を行い、自然との調和を祈ります。冬至が単なる暦の節目ではなく、人々が自然の変化とともに暮らしを営んできた証です。
まとめ
いかがでしたか? 冬至(とうじ)は、寒さのピークに向かう中で太陽の再生を祝う特別な日です。この節気に込められた自然の循環や再生の象徴としての意味は、私たちの心に希望を与えます。柚子湯やかぼちゃを取り入れた習慣、行事を楽しみながら、冬至の特別な一日を過ごしましょう。自然界のリズムに寄り添うことで、心身をリセットし、新しい季節への準備を始めるきっかけとなります。