和菓子は、日本の伝統的なお菓子でありつつ、四季の変化を感じられる特別な存在ですよね。今回は、和菓子の歴史や由来、季節ごとの和菓子について紹介します。和菓子を通じて、日本の四季の美しさを楽しみましょう。
和菓子の成り立ちと由来
和菓子の歴史は奈良時代(710-794年)に始まり、中国から伝わった「唐菓子」がその原型です。平安時代(794-1185年)には宮廷文化の中で和菓子が発展し、茶道の普及とともに「茶菓子」としての地位を確立しました。江戸時代(1603-1868年)には砂糖が普及し、和菓子の種類も増え、庶民に広まりました。和菓子は茶道や季節の行事と深く結びついて発展し、今日に至っています。
和菓子 季節を大切にした「日本の四季」
和菓子って本当に美しいですよね。季節ごとの自然の変化を表現しつつ、素材や色にもこだわって職人さんの工夫が至る所にされています。和菓子には、春夏秋冬それぞれの季節に合わせたものがあり、季節感を目でも味でも楽しむことができます。
和菓子の種類は、主に水分量によって分類されているんです。水分量30%以上のものは、「生菓子」水分量10~30%のものは、「半生菓子」水分量10%以下のものは、「干菓子」。そして、私たちの目を楽しませてくれる、季節の変化や花鳥風月を表現した生菓子が、上生菓子です。
日本の四季・春の和菓子
春は新しい生命が芽吹く季節です。桜や梅などの花をモチーフにした和菓子が多く登場します。ふんわりと優しい色合いのものや春の旬の食材を練り込んだもの、季節の香りと味を楽しめます。
代表的な春の和菓子には、「桜餅」や「草餅」があります。
桜餅は桜の葉で包んだ餅に小豆餡を入れたもので、春の香りを楽しめます。草餅はよもぎを練り込んだ餅に小豆餡を包んだもので、春の野草の風味を味わえます。桜餅のあの独特ないい香りは、秋の七草の藤袴の香りにそっくりなんです。秋の七草についてはこちらの記事を参照してくださいね。
日本の四季・夏の和菓子
夏は涼を感じる和菓子が人気です。「水ようかん」や「葛餅」など、冷たい和菓子が登場します。
葛餅には、葛粉を使った「本葛餅」と、透明感のある「水葛餅」の2種類があります。本葛餅はきな粉や黒蜜をかけていただき、水葛餅は透明感のある、ふるふるととした涼しげな見た目が、食感だけでなく、涼を呼び込みます。
日本の四季・秋の和菓子
秋は収穫の季節であり、栗や芋、柿などの旬の素材を使った和菓子が楽しめます。
秋の代表的な和菓子というと「栗きんとん」や「芋羊羹」ですよね。いまでは芋羊羹などもコンビニで気軽に買い求めることができるようになりました。ちょっと甘いものが欲しい時に大助かりです。栗きんとんはおせちの印象が強いですが、案外簡単に作れます。栗をすりつぶして砂糖と練り合わせたもので、栗の豊かな風味が楽しめます。芋きんとんも同じ要領でつくります。
日本の四季・冬の和菓子
冬は暖かさを感じる和菓子が恋しくなりますよね。
「お汁粉」や「ぜんざい」が代表的な冬の和菓子です。お汁粉は温かい小豆餡に焼いた餅を入れたもので、寒い冬にぴったりのもの。ぜんざいはお汁粉に似ていますが、小豆が粒のまま使われることが多く、こちらもお餅を入れて楽しみます。小豆は魔除けの意味が込められていることもあって、和菓子ではよく登場します。美味しく食べて、邪気払いもしちゃいましょう。
まとめ
和菓子は四季折々の自然の美しさや風情を感じることができる日本の伝統的なスイーツです。和菓子の成り立ちや由来を知り、季節の和菓子を楽しむことで、日々の生活に彩りを添えましょう。
最近では、個人経営の和菓子屋さんが減ってしまって、気軽に食べられるお団子すら少なくなり、下町まで、電車で買いに行くことが多くなりました。ちょっと悲しいですよね。みなさんの街ではいかがでしょうか? 和菓子の文化を保護し、継承するためには、個人経営の老舗和菓子店を積極的に利用し、応援していくことが大切だと個人的に思っています。今日はどんな和菓子いただこうかな?