小暑(しょうしょ)は、本格的な夏の暑さが始まる頃を指しています。暑さが徐々に増していく時季です。
二十四節気・小暑とは、暑さが本格的になり始める節気のこと
「小さな暑さ」と書く小暑は、夏の暑さが本格化する前の、まだ比較的穏やかな暑さの時季を指します。この日を過ぎると、次第に暑さが厳しくなり夏本番と季節が移り変わってきます。
小暑とは、簡単にいうと、暑さが本格的になり始める節気のことです。
梅雨が明け、いよいよ夏本番を迎える準備が整う毎年7月7日頃にあたります。
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。
小暑の期間に含まれる七十二候とは?
小暑の期間には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時期に自然界で起こることを表しています。
- 初候:温風至(あつかぜいたる)
- 期間:7月7日頃~7月11日頃
- 意味:暖かい風が吹き始め、夏の訪れを感じさせる時期です。
温風とは、(うんぷう)とも(おんぷう)とも言われます。真夏から夏の末頃まで吹く暖かい風のことを言います
- 次候:蓮始開(はすはじめてひらく)
- 期間:7月12日頃~7月16日頃
- 意味:蓮の花が咲き始める時季です。蓮の花は夏の象徴ともいえる美しい花で、涼しげな景色を作り出します。
- 末候:鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)
- 期間:7月17日頃~7月21日頃
- 意味:5月〜6月にかけて孵化した鷹のヒナが、飛び方を覚え、昆虫や鳥類が多く見られ始めるこの時期に、狩りを学びます。少しづつ行動範囲を広げつつ独り立ちに備える時季です。
七十二候は季節の微妙な移り変わりを表し、自然のリズムを感じることができる日本独特の文化です。詳しい記事は、下のリンクからどうぞ。
宗教的に重要視される「蓮」と芸術家に好まれる「睡蓮」
次候:蓮始開(はすはじめてひらく)にも出てくる蓮の花。蓮(はす)と睡蓮(すいれん)の見分け方を知っていますか? 昔から混同されることが多いこの植物。どちらも、水辺で見られる美しい花として知られていますが、蓮と睡蓮の違いについて詳しく説明します。
蓮(はす)Lotus の特徴
- 葉の形状: 蓮の葉は大きくて丸い形をしており、葉柄(ようへい)が長く、水面から高く立ち上がります。葉の表面は撥水性があり、水をはじきます。
- 花の特徴: 蓮の花は大きくて華やかで、ピンクや白の花を咲かせます。花も水面から高く伸びる茎の先に咲きます。
- 生息地: 蓮は泥の中に根を張り、湖沼や池などの静かな水辺に生育します。
- 開花時期: 夏(7月から8月頃)
- 文化的意義: 蓮は仏教やヒンドゥー教において神聖な花とされ、仏像の台座などに使われることがあります。
睡蓮(すいれん)Water Lily の特徴
- 葉の形状 睡蓮の葉は蓮に比べて小さく、丸い形をしていて水面に浮かぶように広がります。葉には切れ込みがあります。
- 花の特徴 睡蓮の花も美しいですが、蓮よりも小さく、白、ピンク、黄色、青などさまざまな色があります。花は水面近くに咲きます。
- 生息地 睡蓮も湖沼や池などの静かな水辺に生育します。葉や花は水面に浮かぶ形で成長します。
- 開花時期: 初夏から秋(6月から9月頃)
- 文化的意義: 睡蓮は「水面の宝石」とも呼ばれ、西洋絵画やガーデニングでよく見られます。
蓮と睡蓮の主な違い
下の表に示したように、蓮と睡蓮は見た目や生態が異なりそれぞれ違う特性を持っています。水面から高く立ち上がっているのが、蓮、水面に浮かんで咲いているのが睡蓮。そう覚えると間違いないです。
蓮 | 睡蓮 | |
葉の位置 | 水面から高く立ち上がっている | 水面に浮かぶ |
花の位置 | 水面から高く伸びている | 水面近くに咲く |
葉の形状 | 大きく撥水性がある | 小さくて水面に浮かぶ |
花のサイズと色 | 大きく主にピンクや白 | 多彩な色 |
文化的意義 | 蓮は主に宗教的に重要視 | 睡蓮は主に芸術や園芸で人気 |
こうやって、植物に興味を持ってしまうのも、日本の暦があってからこそ。これからもこの文化的遺産を大切にしていきたいですね。
まとめ
この時期は、植物で言えば、朝顔やひまわり、小物で言えば、風鈴やうちわなど、涼やかさを演出する小物も増え始めます。今は涼を得るためミニ扇風機も登場していますが、行事としても、海開きに始まり、七夕や祇園祭などが賑やかさを添えます。小暑の時季を楽しみながら、夏の到来を感じましょう。
いよいよ夏本番! 次回は、大暑(たいしょ)ついてご案内します。