二十四節気と七十二候

処暑の読み方や意味とは? 二十四節気・心を豊かにする暦・言葉のカレンダー

二十四節気処暑
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処暑(しょしょ)は、厳しい暑さが少しずつ和らぎ、涼しさを感じ始める時季です。自然界では、暑さが和らぎ、秋の気配が感じられるようになります。

太陽の黄経が150度に達した日が処暑となり、毎年その日付は変わります。2024年は8月22日が処暑となります。この記事では、処暑の意味や行事などについて詳しく紹介していきます。

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二十四節気・処暑とは、暑さが徐々にやわらぎ始める節気のこと

だんだんと、秋の気配が感じられるようになり、朝晩がだいぶ涼しくなってきます。暦の上では夏の暑さが和らぎ始める時期とされていますが、実際にはまだまだ暑い日が続く時期です。

処暑とは、簡単にいうと、暑さが徐々にやわらぎ始める節気です。

そのなかでも、朝晩に秋の虫の声が聞こえ始めたり、空が高く感じられるようになったりと、少しずつ秋の気配を感じられる頃です。

「処」は「おさまる」ことを意味していて、暑さが和らぎ始める時季を指しています。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。

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処暑の期間に含まれる七十二候とは?

処暑の期間には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時期に自然界で起こることを表しています。

  • 初候:綿柎開(わたのはなしべひらく)
    • 期間: 8月23日頃から8月27日頃(2024年は8月22日から)
    • 意味: 綿の花が咲く時期です。綿花の花が開くと、秋の訪れが感じられるようになります。
  • 次候:天地始粛(てんちはじめてさむし)
    • 期間: 8月28日頃から9月1日頃
    • 意味: 天地の気が次第に冷たくなり始める時期です。空気がひんやりとし、秋の気配が感じられます。
  • 末候:禾乃登(こくものすなわちみのる)
    • 期間: 9月2日頃から9月7日頃
    • 意味: 稲などの穀物が実る時期です。収穫の準備が進み、農作物が豊かに実る季節です。

処暑の頃に見られる風物詩は、夏の終わりと秋の始まりを告げるものばかりですが、気になるところでは、秋の七草があります。

秋の七草は、萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗といった秋の草花のこと。

秋の七草もやっぱりお粥とかで、いただくんですか? と聞かれることがありますが、基本的には、香りなど、五感を楽しむのが秋の七草です。秋の七草は、漢方などに使用されているものもあります。

秋の七草についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています

ほかにも、お盆にまつわるお祭りが各地で行われます。おわら風の盆(おわらかぜのぼん)は、日本の富山県富山市八尾地域で毎年9月1日から3日にかけて開催される伝統的なお祭りです。

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おわら風の盆についてちょっと詳しく

毎年9月1日から3日間、富山県富山市八尾町を舞台に繰り広げられる「おわら風の盆」。哀愁を帯びた胡弓の音色と、男女の織りなす優雅な踊りが、訪れる人々を幽玄の世界へと誘います。

おわら風の盆の由来

元々は、旧暦8月1日に吹く台風を鎮めるための風鎮めの儀式と、五穀豊穣を願う豊年祭が結びついたものとされています。唄や踊りで夜通し賑やかに過ごすことで、風の神を慰め、豊かな実りを祈願しました。

笠で顔を隠した幻想的な踊り

おわら風の盆の踊りは、男女でその様相が異なります。男踊りは、白い着物に赤い帯を締め、頭には白い頭巾を巻きます。踊りの振り付けは力強く、勇壮な感じが特徴です。一方、女踊りは、白い着物に紫や赤などの帯を締め、頭には黒い頭巾を巻きます。「静」の動きが特徴。ゆったりとした所作の中に、哀愁や艶やかさを漂わせます。編み笠を深くかぶり顔を隠して踊る姿は、見る人の想像力を掻き立て、神秘的な雰囲気を醸し出します。

この祭りは、2016年に「重要無形民俗文化財」に指定されました。豊穣を祈るとともに、風災からの守護を願う行事として知られています。

この頃の過ごし方の注意点 今年は残暑が厳しいですが、通年、この頃は風邪をひいている方が増えてきます。そのほとんどが、気温の急速な変化に体が対応できないことからです。朝夕はだいぶ涼しくなってきますので、体調管理に気をつけながら、薄い羽織物は常に用意しておきましょう。また、夏の疲れがどっと出てくるのもこの時期です。旬の食材の果物やきのこなど秋の味覚を満喫して、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

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まとめ

処暑は、暑さがおさまり始める頃と言いつつ、まだまだ残暑が厳しい時期です。

しかし、確実に秋は近づいています。秋の虫の音や少しづつ色づいていく樹木の葉の様子などからも、
秋の気配を感じ取ることはできますよね。

体調管理に気をつけながら、秋の訪れをゆっくりと楽しんでいきましょう。処暑を快適に過ごすためのポイントを押さえて、夏の疲れをリセットし、秋に向けて体調を整えていきましょう。

次回は、白露(はくろ)についてご案内します。