立冬(りっとう)は、二十四節気の19番目に位置する節気です。毎年11月7日頃から11月21日頃までの期間を指し、この頃から徐々に冬の寒さが増していきます。
二十四節気・立冬(りっとう)とは、冬の始まりの節気のこと
立冬は、暦の上で冬が始まる節目とされますが、日中はまだ少し暖かさが残る日も多く、「小春日和(こはるびより)」という穏やかな天気が続くことがあります。一方で、朝晩の冷え込みは厳しくなり、暖房器具の準備が欠かせない季節です。
立冬とは、簡単にいうと、「冬の始まり」の節気です。
農作業の終わりと冬支度の始まりを告げる時期でもあり、寒さに備える準備が進められます。まだ日中は秋の名残が感じられるものの、朝晩の冷え込みが厳しくなり、木々も紅葉が進み、北風も吹き始めます。日常の景色に少しずつ冬らしい気配が漂い、寒さを意識し始めるきっかけになる節気です。
Memorina Seasonal Column「小春日和(こはるびより)」とは? 小春日和を春の言葉と思っていませんでしたか? 実は、晩秋から初冬にかけて、特に11月頃に訪れる穏やかで暖かい晴れの日のことをいうんです。まるで春が戻ってきたかのようなぽかぽかとした陽気だね♡ということなんですが、古くから親しまれてきた季節の言葉です。春に「小春日和だね」の使い方は間違いなので、気をつけましょう。
立冬の期間に含まれる七十二候とは?
立冬の時期には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。
二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。
- 初候:山茶始開(つばきはじめてひらく)
- 期間:11月7日頃〜11月11日頃
- 意味:山茶花(さざんか)が咲き始める頃です。冬の寒さに耐えながら咲く山茶花は、冬を感じさせる花の一つです。
- 次候:地始凍(ちはじめてこおる)
- 期間:11月12日頃〜11月16日頃
- 意味:地面が凍り始め、冬の寒さを実感する時期。特に朝の冷え込みが厳しくなり、霜が降りることも増えてきます。
- 末候:金盞香(きんせんかさく)
- 期間:11月17日頃〜11月21日頃
- 意味:金盞花(きんせんか)、つまり水仙が香り始める時期です。凛とした冬の香りが、冬の訪れを告げます。
Memorina Seasonal Column 山茶花(さざんか)は、立冬の時期から咲き始める冬を代表する花ですが、椿と似ていると思いませんか? どちらも同じ椿科の植物ですが、見分け方の一つとして、山茶花の花びらは一枚ずつ散るのに対して、椿の花は、丸ごと落ちることです。 山茶花は、秋から冬にかけて庭や街路樹、公園などでよく見られます。その花言葉は「困難に打ち勝つ」「愛嬌」「ひたむきさ」で、寒さに耐えながら凛と咲く姿が、人々に強さと美しさを感じさせる存在です。
立冬の行事・お祭り
立冬の時期には、地域によって秋の実りを祝う行事や、収穫感謝の意味を込めた伝統行事が行われます。ここでは、立冬の時期に行われる主なお祭りや行事をご紹介します。
日本の伝統的なお祝いについての記事はこちら
七五三
七五三(しちごさん)は、日本の伝統行事で、3歳、5歳、7歳の子供たちの成長を祝います。毎年11月15日に行われます。子供たちは着物や袴を身にまとい、親や家族と共に神社にお参りし、健康や幸せを祈ります。この時期に贈られる千歳飴は、長寿や無病息災を願う意味が込められています。
七五三についてのもっと詳しい記事はこちらから
金盞香(キンセンカ)についてちょっと詳しく
末候:金盞香(きんせんかさく)にも登場します。金盞香(キンセンカ)。金盞花はキク科の植物で、学名はTagetes erectaです。英語では「マリーゴールド」としても広く知られています。この花は、鮮やかなオレンジや黄色の花を咲かせ、観賞用として広く栽培されるほか、薬用や食用としても利用されることがあります。金盞香は、夏から秋にかけて花を咲かせ、日当たりの良い場所を好みます。
金盞香の花は、伝統的にその抗炎症作用やリラックス効果が期待されており、お茶として飲まれることが多いです。
金盞香のお茶の特徴と効果
美肌効果 金盞香に含まれる抗酸化物質は、肌の健康をサポートすることも期待され、特に美肌を目指す方に注目されています。
リラックス効果 金盞香はその香りが特徴的で、心を落ち着ける効果があるとされています。お茶にすると、精神的なストレスを和らげ、リラックス効果を感じることができるでしょう。
消化促進 消化不良や胃の不調を和らげる効果があるとも言われています。
抗炎症作用 伝統的に金盞香は抗菌・抗炎症作用があるとされており、風邪や喉の痛みなどにも良いとされています。
作り方
金盞香のお茶は、乾燥した花や葉を使って作ることができます。以下は一般的な作り方です。
- ハーブ専門店やオンラインショップで乾燥した金盞香の花や葉を購入できます。新鮮な花や葉も使用できますが、乾燥したものが一般的です。
- 一杯分の金盞香の乾燥花(または葉)をティーポットに入れ、お湯を200ml程度注ぎます。
- 約5分程度、花が開くのを待ちます。お好みに合わせて蒸らし時間を調整します。
- 茶こしを使って花や葉を取り除き、カップにゆっくりと注ぎ入れお楽しみください。
金盞香のお茶は、甘みがあり、やや花の香りが感じられるため、リラックスしたいときやリフレッシュしたいときにぴったりです。また、ハーブとしての特性を活かし、他のハーブとブレンドして飲むこともできます。金盞香のお茶を楽しむ際は、摂取量に注意し、アレルギーがある場合は使用を避けるか、専門家にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか? 立冬は、冬の始まりを感じさせる重要な節気です。この時季には、冬に備えた準備とともに、自然に感謝し、季節の味覚や風景をたのしみましょう。立冬の時季は、寒さが増すと同時に冬の味覚が楽しめる時季でもあります。鍋を囲んだり、冬支度をしながら、日本の四季折々の豊かさを味わいましょう。