立春（りっしゅん）は、二十四節気の最初の節気であり、暦の上では春の始まりとされます。まだ寒さは厳しいものの、少しずつ日差しが柔らかくなり、春の気配が感じられる時季です。
二十四 節気・立春（りっしゅん）とは、一年の始まりを告げる節気です
旧暦では新年にあたる立春。節分の翌日から始まるため、占いの運気の切り替え時期であったり、邪気を払う風習なども根付いていますよね。年賀状に迎春などと書きますが、それもこの名残りです。
二十四 節気・立春（りっしゅん）とは、簡単にいうと一年の始まりを告げる節気です。暦の上では春の始まり、寒さの中にも少しずつ春の気配が感じられる時季です。
立春の期間に含まれる七十二候とは？
立春の時期には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。
二十四節気（にじゅうしせっき）は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。
- 初候：東風解凍（はるかぜこおりをとく）
- 期間：2月4日頃～2月8日頃
- 意味：春の風が吹き始め、冬の間に凍っていた大地や水が少しずつ解けていく頃。まだ寒さは残りますが、空気の中にも春の気配が感じられるようになります。
- 次候：黄鴬睍睆（うぐいすなく）
- 期間：2月9日頃～2月13日頃
- 意味：鶯（うぐいす）が美しい声でさえずり始める時期。まだ風は冷たいものの、日常の中に春を告げる自然の営みが感じられるようになります。
- 末候：魚上氷（うおこおりをいずる）
- 期間：2月14日頃～2月18日頃
- 意味：川や湖の氷が緩み、魚が水面に姿を現し始める時期。生き物たちも少しずつ春を迎える準備を始めています。
春を告げる鶯（うぐいす）のさえずり
次候：黄鴬睍睆（うぐいすなく）は、春を告げる鳥として親しまれる鶯（うぐいす）の鳴き声が聞こえ始める頃を指しています。鶯のさえずりは「ホーホケキョ」と表現されますよね。日本人にとって馴染み深いものですが、実はこれはオスが縄張りを主張し、メスにアピールするための鳴き声。
春が近づくと鶯が活発になり、やがて美しい鳴き声が響くようになります。
しかし、立春の頃に聞こえる鶯の鳴き声は、まだ「ホーホケキョ」とはっきりしていないことが多いのも特徴です。これは「初音（はつね）」と呼ばれ、練習を重ねながら、次第に春らしい美しい鳴き声になっていきます。何事にも練習はつきものようです。笑
鶯の初音を聞くと、「もうすぐ本格的な春がやってくるんだな」と感じられます。ちょっと意識して耳を澄ませてみると、春の訪れをより一層楽しめるかもしれません。
二十四 節気 立春の行事と風習
1. 節分（せつぶん）
節分は、正しくは、立春の前日ですが、邪気を払い、新しい季節を迎えるための行事です。豆まきをして鬼を追い払い、福を呼び込むこの行事は、日本の風習として広く親しまれています。最近では恵方巻を食べる習慣も定着し、今年の恵方はどの方向かなど、毎年話題になりますね。ちなみに2025年は西南西です。
節分と恵方巻きは単独の記事で詳しくご紹介しています！
2. 立春大吉（りっしゅんたいきち）
立春の日に「立春大吉」と書いた紙を家の入り口に貼ると、1年間災難を防ぐとされています。このお札はお寺で授与されることも多く、家内安全を願う風習として根付いています。
3. 初午（はつうま）
立春後の最初の「午（うま）の日」に行われる初午は、稲荷神社の祭礼として知られています。五穀豊穣や商売繁盛を願います。地域によっては華やかな初午祭が開催されます。ちなみに、2025年の初午は2月6日木曜日、油揚げや稲荷寿司をお供えするのが一般的ですが、地域によっては華やかな初午大祭が開催されます。なかでも、京都の伏見稲荷大社では護符でもある「験（しるし）の杉」が授与されます。
4. 針供養
針供養（はりくよう）とは、日頃針を使う人々がこの日は針仕事を休み、1年間使った針を神社や寺院に奉納し供養するための日です。毎年2月8日（または2月7日）に行われることが多く、主に裁縫や刺繍を行う人々、特に針仕事に従事する職人たちにとって大切な日とされています。
寺院や神社にお参りをして、針に日頃の感謝の気持ちを表します。特に東京の「浅草寺」では、針供養が行われ、裁縫道具や針が供物として納められることが伝統となっています。
また、針仕事を行う人々の「心のリセットをする日」とも言えます。技術や道具への感謝とともに、自身の技術の向上を願う気持ちも、この針供養には込められています。
5. 梅の花の開花
立春を過ぎると、梅の花が少しずつ咲き始めます。梅は「百花の魁（ひゃっかのさきがけ）」と呼ばれていますが、1年で最初に咲く花として古くから愛されてきました。
特に、太宰府天満宮や湯島天神などの梅の名所では、梅まつりが開催され、多くの人が春の訪れを感じに訪れます。
まとめ
いかがでしたか？ 立春は、暦の上では春の始まりを告げる大切な節気。まだまだ寒さは残りますが、自然の変化や伝統行事を通して、春の訪れを感じることができるでしょう。七十二候に見る、鶯のさえずりや梅の花など、立春ならではの風物詩を楽しみながら、新たな季節を迎えましょう。
春はすぐそこ。立春をきっかけに、心も春へと切り替えて、明るく穏やかな日々を迎えましょう！