二十四節気と七十二候

小雪の読み方や意味とは? 二十四節気・心を豊かにする暦・言葉のカレンダー

二十四節気-小雪-橘の画像
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小雪(しょうせつ)は、二十四節気の20番目にあたる時期で、毎年11月22日頃から12月6日頃までを指します。この頃から寒さが本格的になり始め、山間部では雪が降り始めることもありますが、まだ大雪には至らない「小雪」という名前がつけられています。

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二十四節気・小雪(しょうせつ)とは、冬支度を始める節気のこと

寒さが増す中にも、木枯らしや冬枯れといった季節の移り変わりが感じられ、冬支度を本格的に始める時期でもあります。

小雪とは、寒さが本格化する前の、冬支度を始める節気です。

小雪は、冬の準備を始める目安として古くから大切にされてきました。農村では、畑仕事が終わり、冬野菜の収穫や保存の準備が進められます。また、住まいの防寒対策や衣類の入れ替えもこの頃行われます。

現代では、冬の訪れを感じるイベントや行事が各地で見られるようになり、イルミネーションや冬市が楽しめる季節でもあります。寒さが厳しくなる前のこの時期に、心も体も冬支度を整えておくことが大切です。

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Memorina Seasonal Column 木枯らし(こがらし)」とは? 晩秋から初冬にかけて吹く、冷たく乾いた強い風を指します。木の葉を吹き飛ばし、樹木を裸にして冬の到来を知らせる風であることから「木枯らし」と呼ばれています。木を枯らすってことですよね。特に日本では、秋が終わりを告げる象徴的な自然現象の一つとして知られています。

気象学的には、木枯らしは北寄りの風であり、関東地方では冬型の気圧配置が整った際に発生します。東京では11月初め頃に吹くことが多く、これを「木枯らし1号」として発表することがあります。この時期の冷え込みは、一年の中でも季節の変わり目を強く感じさせます。2024年の木枯らし1号は11月7日でした。

木枯らしが吹き始めると、地域によっては冬支度が加速します。暖房器具を出したり、コートやマフラーを準備するなど、寒い季節への備えが進む合図とも言えます。また、俳句などの文学作品でも「木枯らし」は季語として使われ、寂しさや侘しさを象徴する存在です。

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小雪の期間に含まれる七十二候とは?

小雪の時期には、三つの七十二候があります。七十二候とは、季節をさらに細かく分けたもので、それぞれの時季に自然界で起こることを表しています。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽の動きに基づいた中国起源の暦です。
1年を24等分し、各節気は約15日間隔で巡ります。節気には、気候の特徴や農作業の目安が示され、自然のリズムを感じながら生活をする知恵が伝わっています。

  • 初候:虹蔵不見(にじかくれてみえず)
    • 期間:11月22日頃~26日頃
    • 意味:虹が見えなくなる時期を指します。空気が乾燥し、冬の澄んだ空が広がります。
  • 次候:朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
    • 期間:11月27日頃~12月1日頃
    • 意味:北風が吹き、木々の葉が落ち始めます。冬の訪れを実感できる風景です。
  • 末候:橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
    • 期間:12月2日頃~6日頃
    • 意味:冬でも緑を保つ橘の葉が色づき始める様子を表しています。

Memorina Seasonal Column 北風と冬支度 次候「朔風払葉」は、木枯らしが吹き始め、木の葉が舞い落ちる季節の風物詩を表しますが、冬の準備が進むこの頃、人々は厚手の衣服を出し、暖房器具の準備を行います。わたしが子供の頃には、漫画の中にも、落ち葉を集めて焼き芋というシーンが多く出てきましたが、令和の世では考えられないことでしょうね。危ないですものね。笑
古くからの風習としては、落ち葉を集めて堆肥を作るなど、自然を無駄にしない生活の知恵が活かされてきました。現代でも、この時期は、あまり寒くなりすぎるわけでも無いことから、掃除や片付けをして年末に向けた準備を進めるよいタイミングといわれています。

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小雪の行事・お祭り

小雪の時期には、地域によって秋の実りを祝う行事や、収穫感謝の意味を込めた伝統行事が行われます。ここでは、小雪の時期に行われる主なお祭りや行事をご紹介します。

日本の伝統的なお祝いについての記事はこちら

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酉の市

小雪の時期に開催される伝統行事の一つが「酉の市」です。関東地方を中心に行われるこの行事は、商売繁盛や家内安全を願うため、熊手を買い求める人々で賑わいます。華やかに飾られた熊手がずらりと並ぶ光景は、冬の訪れを告げる風物詩でもあります。酉の市は、各地の神社で開催され、地域によっては特色ある熊手や屋台も楽しめる一大イベントです。

酉の市についてのもっと詳しい記事はこちらから

新嘗祭

新嘗祭(にいなめさい)は、毎年11月23日に行われる日本の重要な祭りで、収穫を祝う行事です。天皇が新米を神に奉納し、国の豊穣を感謝するこの祭りは、古代から続く伝統的な行事です。新嘗祭では、神前に新米や新鮮な農産物が供えられます。

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新嘗祭(にいなめさい)についてちょっと詳しく

新嘗祭(にいなめさい)は、日本の古来から続く収穫祭で、五穀豊穣を神々に感謝する伝統的な行事です。現在も宮中行事として、天皇が新穀(その年の新米や新穀)を神々に供え、自らも食すという形で行われています。この儀式は11月23日に行われ、その日が現在の「勤労感謝の日」の起源にもなっています。

新嘗祭の歴史と由来

新嘗祭は、弥生時代から行われてきたとされる非常に古い祭りです。「新(にい)」は「新穀」、「嘗(なめ)」は「口にする」を意味し、その年の収穫物を神々にお供えし感謝を捧げると同時に、人々が口にすることで神と共に豊作を祝い、来年の豊穣を祈るといった意味合いがあります。

天皇が稲穂から作った新米を神々と共に食し、国の繁栄と安寧を祈るという行為は、日本の信仰や皇室の儀礼に根ざした神聖な儀式とされています。

新嘗祭の儀式

宮中で行われる新嘗祭は厳粛で、皇居内の「神嘉殿(しんかでん)」で夜を通して執り行われます。皇居の神嘉殿では、天皇が「悠紀(ゆうき)」と「主基(すき)」という2つの地域から献上された新米を神に供え、酒や塩、海産物、野菜などさまざまな供物も備えられます。天皇が自らも新穀を口にし、天照大神などの神々に対して国の平安や収穫の感謝を捧げます。

1948年に「勤労感謝の日」として11月23日が国民の祝日となりましたが、元々は新嘗祭が行われていた日です。勤労感謝の日は、働くことへの感謝や、労働者を尊重するという現代的な意味合いが加わり、一般の祝日として広く祝われています。そのルーツには新嘗祭があり、五穀豊穣や収穫に対する感謝が背景にあります。

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まとめ

小雪は、冬の始まりを感じさせる重要な節気です。この時季には、冬に備えた準備とともに、自然に感謝し、季節の味覚や風景をたのしみましょう。立冬の時季は、寒さが増すと同時に冬の味覚が楽しめる時季でもあります。鍋を囲んだり、冬支度をしながら、日本の四季折々の豊かさを味わいましょう。